11月に入ると、庭のセンダンとアカシヤの木の葉が落ち始め、寒さが、日増しに厳しくなってきた。現場に、眞木建設から大きな石油ストーブが持ち込まれたが、ドアも窓も取り付けられていないスカスカな家なので、家の中が暖まるということはなかった。それでも、火が見えると、作業をしていてもなんとなく暖かな気持ちになるので、寒い日は、朝からストーブが焚かれた。予定では、この段階で、床も壁も、ほぼ完成しているはずだった。
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ところが、実際には、壁はまだガチガチにひび割れた荒壁のまま、床にはまだ張り残しがあった。もちろん、建具も入っていない。それでも、Tさんは、12月までには、なんとか完成させるという。「まあ、ここまでできれば、あとは一気だよ」こう、Tさんに言われると、そういうものなのかなという気がする。Tさんが言うように、12月中には、完成して引っ越せるかもしれないと思う。素人だから、こんな状態で、1カ月半後に完成するとはとても思えないのだが、作業をしているのはプロの職人だから、たぶん、ラストスパートで、瞬く間に家を完成してしまうのかも知れない。私たちはそう信じた。